つれづれ日記

Mi piaccion quelle cose...

夏の思い出

発表会の翌日は長野県の蓼科高原へ。お世話になっております、大好きなピアニストT先生の演奏会に伺いました。

演奏会の会場兼、宿泊先のペンションが駅から離れた場所にあるため、発表会の終了後に最寄り駅まで移動し、まずは現地で一泊。翌日にシャトルバスで移動し、ペンションで演奏会を聴いて一泊するというコースです。発表会用の楽譜、着替えと靴、iPadの三脚などをキャリーケースに入れて移動していましたが、不要な荷物はホテルから宅急便で自宅に送り、身軽になって出発しました。

高原で聞く先生の演奏は本当に素敵でした。シューベルトの21番のソナタに始まり、シューマンの≪子どもの情景≫、ショパンの小犬のワルツと≪バラード≫第4番。アンコールにはショパンの練習曲作品25から2曲(第2番ヘ短調と第1番変イ長調)を弾いてくださいました。なんといっても圧巻のシューベルト。たった31年の人生を太く、濃く生き抜いたシューベルトの生きざまを、先生の演奏によって追体験するような気迫に満ちた演奏でした。演奏後の先生の涙に私たちも涙…。シューベルトソナタは10月にある先生のリサイタルでも演奏されます。いまからとても楽しみです!

宿泊したのは『赤毛のアン』に出てきそうなかわいらしいお部屋。人生初のアレクサ(お部屋に置いてありました)と遊びつつ、心地よく就寝。5時ごろにふと眼が開いて、窓辺のアームチェアに腰かけながら明け方の高原の景色を眺めていました。

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鳥の鳴き声や遠くを流れる小川のせせらぎ、梢のそよぐ音、木々の幹の色や葉の柔らかい緑、開け放した窓から入ってくるみずみずしい高原の空気を全身に浴びながら、なんて幸せな時間だろうと思いました。平地ではYouTube中毒の私ですが、ペンションに滞在している間は写真を撮るとき以外、ほとんどスマホに触らずに過ごしました。これからも時々、この環境に身を置くためだけに出かけていきたいと思わせる素敵な場所です。

朝食前、ダイニングに降りていくと先生のお嬢様がいらっしゃいました。そこに先生も加わって、キャーキャーいいながらジェンガで遊んだのもいい思い出です(笑)束の間、魂の洗濯ができた三日間でした。さあ次は≪ルサルカ≫のアリア、そして自分のソロ曲の譜読みです。頑張る!